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 06 バトゥ・プテ

  バトゥ・プテを嵌め込んだ壁があり、庭にはバレとプールがあり、そして寝室や居間のあるアランアランを葺いたルマ(家)がある。
 これが典型的なビラのスタイルである。
 バトゥ・プテ。白い石。ジンバランとヌサドゥアエリアだけで採掘される石。白というのではない。やや黄味がはいっているような、ベージュが入ったような色で、色もつやも感触も気持ちがよい。
昔は、建築の基礎石として使われていた。
 バリ島ではングラライ空港の建築物に見られるようにセメント色した石しか使われていなかったが、外国からの建築家が入ってくるようになり、様々な石が建築資材として使われるようになった。
 二人だけで過す静寂な時間。何もしないという贅沢。記憶にない遠い記憶を醸し出すバトゥ・プテの壁。
 なぜバリに来たら何かが懐かしいのだろう。


 07 ペンジョール

  竹にお供えや飾り物をつけて、村の祝祭日などには家の前にこの竹を立てる。
 不思議なのは、この竹のカーブの程度だ。みな見事に同じなのである。バリ人の美意識が働いている。
 同じ質、同じサイズの竹を選ぶ。おそらく何cmか毎に約束されたものを装飾する。すると、しなりが同じになり、村の道の入り口から見れば、ひとつの芸術品のような風景となって、村は厳粛な神々との交感の場と変わる。
 この竹をペンジョールと言い、聖なる山アグン山を象徴すると言われている。聖なるものはアグン山に住んでいる、と言われている。
 バリ・ヒンズーといわれるのは、バリ独特の、古来から伝わる土着の宗教と合体されているからだ。ペンジョールはその例である。
 朝靄の中の村に入る。村の静けさと、時がとまったような空間は人が共同体の中で生きる安らぎ感を与える。きっと共同体の中での生活はうっとうしいこともあるだろうが。


 08 タッセル

  天蓋付きベッドにある蚊帳、窓のカーテンを留めるタッセル。タッセルには糸と貝が使われる。もちろん金属、木製のものもある。もしかしたらこの種のタッセルは南国のリゾート地には既にあるのかも知れない。
 日本では普通、ヒモでカーテンを巻きフックに留めるくらいだから、貝のタッセルとなるとカーテンの素材や模様、色、ひいては部屋の雰囲気まで気を使わなければならない。
 大きな部屋や寝室の間取りを持つ外国から入ってきたものだと思うが、バリ島では観光客やバイヤーの為に多くの店で売られている。
 趣味に走ってしまう人もいるだろう。タッセルを気分で取り替える。今日は円錐形の巻貝ターバン。日曜日はトゥリトン。
 心に緊張を強いるインパクトを与えるのではなく、心のどこかにあるくつろぎたい感情を掬いとる。タッセルに目をやる度にふとくつろいだら、これ以上のタッセルはない。


 09 Patera Samblung

  バリ島独特の模様パターンがある。パテラ サンブルン という。おそらくこれを基本とし、様々な応用パターンがある。
 起点から線が緩やかなカーブで上昇し、頂点までくると急なカーブで巻くようにして終わりのところでさらにもう一回きゅんと巻いてしめる。
 このパターンは平面での木彫、石彫ではすぐにわかるが、ガルーダやバロンのような立体のものであっても応用されている。
鉄の製品も同様である。
 バリらしさはこの独特な曲線にあると言ってもよいと思う。
ワヤンクリッで使われる人形はジャワのものが鼻が高く直線であるのに対し、バリのものは丸いカーブになっている。バリの無意識のパターンがこんなところにみ表れているのである。
 なぜそうなってしまうのか。一度作ったパターンを崩さない、と思っているのか。崩す、崩さない、もなくただ受け継がれているだけなのか。
曲線はバリ人の共通のある性格(物の考え方)をあらわしているのか。
  この曲線は、レゴンダンスの動線にも現れる。しかと確かめてみられよ。


 10 クバヤ
 この頃の若い女性達の間では、スケスケのクバヤが流行っている。クバヤとはバリの女性が儀式のときなどに着る正装のようなものだ。儀式に出るのに、そこまで色っぽくなくてもと思うが、バリでは服を自慢できるのはこの時しかない、という感じである。
 コラーゲンのせいか、張った胸、上がったお尻。クバヤはバリ女性の体型をことさら強調するかのようである。ことさらに体型を隠そうとする日本の着物とは正反対である。クバヤの上から帯をつける。これをスレンダンという。帯でウエストをキュンとしめる。それで大きな胸がよけい大きく見えるようになる。下はサロンである。
 3点セットで女性たちは勝負する。
 色も艶やかなものが好きな女性。昔ながらの地味な色合いのものを好む女性。
 バリの男性も、女性も日本人と同様、洋服が似合わない。どう頑張っても西洋人にかなわない。伝統の強さがわかる。伝統は体型、姿勢さえも吟味されて蓄積されている。
 クバヤを自分の好みでオーダーすれば、よいお土産になるだろう。軽いし、かさばらない。

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