KARTU KELUARGA(家族カード) 

* 戸籍抄本の更新


 インドネシアには、家族カードというものがある。おそらく、これは日本でいうところの戸籍抄本にあたると思われる。家族構成員全員の生年月日や血液型などのデータが、B5版横書きに記入されている。


 それと面白いのは、このカードのオリジナルは各家庭でキープされる。数枚の複写が、地域の役所や町内会でもキープされることになる。


 我が家では昨年5月に第三子である長女が生まれたが、それに伴う更新を一年以上してなかった。そこで、重い腰を挙げて数週間ほど前、やっと、その家族カードの更新手続きを終わらせることができ、晴れて長女の名前も並ぶこととなった。


 で、その手続き順序みたいなものを紹介したい。


 まずは、私と子供3人の、パスポート・コピー、労働滞在許可書コピー、バリ島での出生証明書コピー(私は無し)、それとあと2種類の書類(警察署届けと移民局届け)のコピーを集めることから始まった。


 これに、家内のIDカードと古い家族カードで、さらに『新規・更新家族カード申請書』を揃えなければならなかった。


 一番ムッとしたの(笑)は、最後の『新規・更新家族カード申請書』についてである。


 まずは、町内会会長宅へ『新規・更新家族カード申請書』をもらいにいくのであるが、なんと、この1枚の紙をもらうだけRp. 50,000ルピアも取られた(もとい、収めることとなった)。てっきり、会長が役所まで手続きを行なってくれるのかと思ったら、昔は町内会会長がまとめて処理したけど、今は各家庭で処理しなければならないとのこと。


 紙1枚渡すだけで、彼はRp. 50,000の収入である。彼が白紙のその『新規・更新家族カード申請書』を自宅にキープするのに、一体コストが掛かっているのかどうか、非
常に気になるところである。その次は、その『新規・更新家族カード申請書』にすべてを間違いなく記入して(間違いがあると厄介なことになる可能性大)、そういった家族法的な行政手続専門の役所へ出向く。


 私と子供たちが外国人籍なために、法外な手続き料を取られることを心配していたが、そこはさすがに我が家内、大学時代の後輩(女性)がその役所に勤めていた。その彼女を介して、余分なチェックや突っ込みなしに受理された。1週間後にまた取りに来てくれ、とのことであった。


 費用はRp. 200,000。何でも、それが本当の値段であるとのこと。裏は取っていないから未だ100%は信用していないが……。


 1週間後、家内だけが新しい家族カードを取りにその役所へ戻った。ちゃんとできていた。でも、このままでは終わらない。その新しい家族カードに市長のサインとスタンプをもらいに、市庁舎まで行かなければならない。


 家族カード作製役所と市庁舎は別のところにある。家族カード作製役所のほうで、市長のサインなどをもらっておいてくれるようなことはない。その役所の人たちのお仕事は、作製することである。それ以下でもなければそれ以上でもない。


 市長のサインとスタンプが欲しいのは、確かに我が家庭である。


 ということで、急ぎ市庁舎へ向かうも、市長がいない。居合わせた職員に「今日はもう戻ってこないかもしれないから出直しなさい。」と諭される私の家内であった……。


 数日後、時間を見つけて市庁舎へ再度向かった家内。まずは窓口の職員に来庁の目的を伝えて、市長のサインとスタンプのある新しい家族カードをさぁいよいよもらえる、というところで当然のように「おいくらですか?」と大きな声で質問した。


 この辺は歴戦の勇士である私の家内。先方に「いくらいくら払いなさい。」と言われる前に大声で質問する。大勢の職員の耳に届いた質問に対して、窓口の担当者は回答を提示できない。それはそうである。この場面で掛かる費用は正規な料金なわけではないのであるから。


 ちょうどそこに、市長が通りかかる。窓口のおっさんは市長に対して、「いくらでしたっけ?」と馬鹿な質問。すると市長は私の家内に向かって、「費用は掛かりませんよ。」と優しく一言!!


 というわけで、総費用Rp. 250,000で新しい家族カードが出来上がった。これが高いのか安いのかは分からないけど、その市長さんには感謝である。窓口のおっさん職員はかなり恥ずかしい思いをしたにちがいない。


 その市長と比較するわけではないが、たかだか町内会会長の分際で(ちょっと失礼過ぎですよね)Rp. 50,000もせしめる会長さん、「あんた、ちょっとぼったくり過ぎじゃないですか? せいぜい、Rp. 10,000でしょう!?」と思ってはみるものの、ひょっとしてそのRp. 50,000が裏で市長と山分けされていたりして!!