20.熱帯夜

続くよ続く熱帯夜は続く。
とてもでなど寝てられないので床に寝る。
タイルの上にゴロンとなる。
ひんやりして気持ちいい。
しかし1分もしない内に己の体温で温まってしまうから隣の升目のタイルに移る。
ここでもまたひんやりして極楽極楽。
しかしいくら隣のタイルといったところでタイルはタイル。
ものの1分もしないうちに温まるからまたその隣へ移動。


そうして遅くとも13分後には部屋向こう端にへとたどりつく。
部屋はタイル13枚分の幅なのだ。
1枚が1分だから×13枚で片道13分
片道13分で行って帰っては×2=26だから26分で一往復だ。
両端のタイルは一枚ではなく半タイルなので体半分しか冷やせないのが欠点といえば欠点だ。
さてどんづまり、それ以上は壁をぶち抜かないと勧めないのでしょうがなく戻ることにする...
さつき己の体温で温てもうなんの魅力もなくなたので置き去りにしたあのタイルがまたヒンヤリとその体温でアタシを魅了する。
自分で家庭に閉じ込めておいて糠みそ臭くなったからと捨てておいてバッタリ街で会ったら見違えるようになっていたようなもんである。
逃がした魚は大きかったと後悔してみても遅い。
しかしワタシの場合は後悔も反省もなしでまたもとのさやに収まるのだよ。
但し1分以内だが...


まぁそんなようにこりもせず花から花へ、タイルからタイルへと乗り換えゴロゴロと部屋を横切って楽しいかと問われれば楽しい訳などない、身体中痛い。 
寒いのは着ればある時寒くなくなる時がくるしいくらい寒くたって眠れる。寒ければ寒いほど眠れるといってよい。あまり寒いとそのまま永遠に眠ってしまうこともできる。
暑いというのは解決がつかない。限界がある。これ以上は脱げない..でも暑いほうが好きだなぁ..
なんてゴロゴロ転がりながら考えてしまう。
そうしてそんなことやってるうちに何番目かのタイルから動かなくなる。
どうやら眠れたらしい。