17.見上げた粘液

ここ最近を生きてきてある事実を掴んだのです。
つくづくとしかしながらキッパリと認めざるを得ない。


粘液めいている。
粘液が出てくるのであります。
身体が粘液を生み出しているのか粘液が勝手に繁殖しているのか知らないけど粘液づいているのです。
上から順に行くと目。
なんで上から順かというとその方が簡単だからです。
わかり易いからです。
わずかに目より位置が下なだけなのにいつも2番目にされる鼻。
出入り口は一番大きいのに必ず一番後回しにされる口。
目、鼻、口 で 口、鼻、目 じゃないのは何故か。
あいうえお順でいくと口、鼻、目だけれどこういう時にあいうえお順を使うのは何だか府に落ちないのでやはり上から順に行くことをご了承願います。
目粘液。
最も親しまれているあだ名を目ヤニ、目クソという。
朝、目覚めた時は水槽の中にいるかの様である。
水槽の中で目覚めたという経験を持たないのでこんなことを言うと日頃水槽の中で暮らしている金魚なぞに「ふんっ、知ったようなこと言っちゃって ちゃんちゃらおかしいわぃ」などと思われても返す言葉はない。
とにかく視界がブヨブヨしているのです。
すぐに目玉を洗い流す。
瞼の上裏に、下裏に指を無理くり捻じ入れて目の玉を洗う。
鼻粘液。   
俗に言う青っ洟だ。
プーッと鼻をかんだ時鼻内壁をテロンッ、という感触が通過した感触が得られた時の幸福感と言ったらおよそ言葉では言い表せまい。
加えて期待通りの収穫物だったりなんかしたらそれは<至福>というものだろう。
と言うわけで手のひらを広げる。
「エッ?て・の・ひ・ら?」と思った貴方。
言いたいことがあるんだったらいいなさい。
この広い世界に<手鼻は譲れないポリシー>という人間は確かに存在すること
を知っておくには今が良いチャンスかも知れない。
んで、まぁ、開いた手のひらを一瞬の内に見極める。
アッタ!
アッタヨ、カアチャンッ!
喜びが胸を突き上げるのだが生卵の白身は食べられません。


口粘液のまたの名は痰ですね。
このとき必要不可欠なのが カーッ ペッ、もしくはガーッ ペッ、という搾出作業でして、カーッで止めるときもあるしペッまで一気に進む場合もある。    .......
この効果音付搾取作業はおいそれとは出来ない。
T・P・Oを十分わきまえないと社会的に葬られます。
その反動でか家に居る時はとにかく一部始終カーッカーッ、ガーッガーッ、やっている。
私を「男の一人暮らし」だと信じている隣近所は少なくない。


ツーッと下がって肛門。
...いやね、実は結構悩んだのよ。
この部分からの粘液って得たい知れずでしょ。
たまたま読んだ医療関係の人が保健所に匿名希望で連絡して明日にでも「隔離の身柄」となるようなたぐいの粘液だったら...笑い者だ。
治療するのが粘液患者の義務であるのは言われなくても判っています!


肛門からの粘液は俗名も又の名もないところが怖い。
あだ名を付けるなんておこがましいほど怖がられているのだ。
然も直接的には呼ばれない。
「粘液状のもの」とか「粘膜状のもの」とか「..状のもの」と間接的だ。
未確認物体なのである。
そんな得体の知れないのもが出てくるなんてことは必ずや何か重大な理由が潜んでる筈である。
う〜ん、やはり告知はされたくないので止めとこう。